冷凍倉庫とは?仕組みや温度帯、倉庫不足の解決策まで解説

今回は冷凍倉庫について解説します。この記事では、冷凍倉庫の仕組みや温度帯についてご紹介しています。また、近年注目を浴びる倉庫不足の問題の解決策までご提案しているため、冷凍倉庫をお探しの方は記事を読んでみてください。
冷凍倉庫の仕組みや温度を知っている方は意外と少ないです。しかし、商品品質を維持するためには、何度で保存すべきなのか理解しておく必要があります。そのため、事業者は冷凍倉庫もついて理解を深めましょう。
今回は冷凍倉庫について解説します。この記事では、冷凍倉庫不足の解決策のご提案もしているため、ぜひ参考にしてみてください。
冷凍倉庫とは
冷凍倉庫とは、-18℃以下の温度で商品を保管する倉庫をいいます。商品を保管する他、入庫・棚入れ・保管・在庫管理・仕分け・出荷準備・配送まで行うのが一般的です。
食品を冷凍することで、微生物による腐敗、栄養素・色・味の変化を抑えられます。本来の品質を維持したまま、長期保存することが可能です。そのため「肉類」「魚介類」「冷凍食品」「スイーツ」「デザート」を保存する際に利用します。
※生産者から消費者に商品が届くまで一定の低温を維持することを、コールドチェーンといいます。
コールドチェーンについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『冷凍食品の配送方法とは?冷凍食品の配送業者の選び方まで解説』
冷凍倉庫の温度区分
令和6年4月1日に倉庫業法が改正されて、冷蔵・冷凍の温度区分が変更されました。温度区分が変更された背景には
- 冷凍食品の保管量の増加
- 電力料金の高騰等
- 過冷却を抑制し、環境負荷の低減を図る
があります。倉庫業法を違反すると罰金が科せられるため、必ず守りましょう。
〇倉庫業法による温度区分
温度区分 | 温度帯 | 対象 |
C3級 | 10℃以下 | マヨネーズ・チョコレート菓子・米穀など |
C2級 | -2℃以下~-10℃未満 | 乳製品・野菜・畜肉・魚介など |
C1級 | -10℃以下~-18℃未満 | |
F1級 | -18℃以下~-24℃未満 | 魚介・畜肉・冷凍食品・アイスクリーム・パン生地など |
F2級 | -24℃以下~-30℃未満 | |
F3級 | -30℃以下~-35℃未満 | |
SF1級 | -35℃以下~-40℃未満 | |
SF2級 | -40℃以下~-45℃未満 | マグロなど |
SF3級 | -45℃以下~-50℃未満 | |
SF4級 | -50℃以下 |
冷凍倉庫のメリット
冷凍倉庫のメリットは3つあります。
食品を冷凍して長期保存できる
冷凍倉庫のメリットは、食品を冷凍して品質を保ったまま長期保存ができるようになることです。食品を冷凍することで、微生物による腐敗、化学反応による栄養素や味の変化を抑えられるようになります。栄養成分、鮮度などを維持しながら、長期保存でき、解凍すれば美味しく食べられることが冷凍技術の素晴らしさです。
廃棄ロスを削減できる
冷凍倉庫で食品を冷凍すれば保存期間が伸ばせるため、廃棄ロスを削減できます。大半の商品には賞味期限があります。賞味期限を過ぎたものは廃棄しなければなりません。
しかし、食品を冷凍すれば賞味期限を延ばせます。そして、需要の変動に合わせて販売できるようになります。
例えば、野菜の賞味期限は1~2週間程度です。しかし、カット野菜の冷凍食品にすれば、賞味期限を2~3ヵ月程度延ばせます。
配送エリアを拡大できる
食品を冷凍すれば長距離輸送ができるようになります。つまり、従来は難しかった遠方地域にも食品を配送できるようになります。つまり、市場開拓や販路拡大が可能です。
これまで対象外だったエリアにも食品が配送できるようになります。配送エリアの拡大によって新たなビジネスチャンスを生み出せます。
冷凍食品の配送方法について詳しく知りたい場合は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『冷凍食品の配送方法とは?冷凍食品の配送業者の選び方まで解説』
冷凍倉庫のデメリット
冷凍倉庫のデメリットも4つあります。
初期投資費用が高い
冷凍倉庫には、次のような設備を搭載する必要があります。そのため、莫大な初期費用がかかります。
設備 | 詳細内容 |
エアコン | 氷点下に設定できるもの |
冷凍機 | 低温を作り出す機械装置 |
ドックシェルター | 外気との温度差をなくし、温度を一定に保つ気密装置 |
二重ドア
| 外気の影響を受けにくくする |
電動式移動パレットラック | 氷点下でも機能するもの |
防湿・防結露シート | 結露を抑制する |
温度・湿度モニタリングシステム
| 温度や湿度を24時間モニタリングして、異常が検知されたらアラートで通知する |
倉庫の規模によって異なりますが、数千万円から数億円の投資が必要になります。そのため、自社専用の冷凍倉庫を持つのは想像以上にハードルが高いです。
作業効率が落ちる
冷凍倉庫は-18℃以下と低温であるため、倉庫で作業する場合は防寒着や手袋を着用しなければなりません。防寒着や手袋を着用しても、体の負担を考えて、こまめに休憩を取らせる必要があります。そのため、定温倉庫での作業と比較すると作業効率が落ちます。
近頃、物流会社では冷凍倉庫の作業効率を上げるためにロボットを導入する動きが出てきました。しかし、ロボットを導入する場合は1台、数百万円から数千万円と莫大な費用がかかります。
運用が難しい
冷凍倉庫の運用は難しく専門知識が必要になります。
氷点下の温度・湿度を一定に保てているか、定期的に温度モニタリングを行わなければなりません。倉庫内の空気循環を適切に行い、温度にムラが生じないように気をつけなければ、冷凍焼けとなり廃棄処分しなければなりません。
また、冷凍倉庫の作業は体力を消耗するため、効率的に作業ができるようにロケーション管理を行います。このように、幅広いノウハウが必要です。自社で冷凍倉庫を運用するのは想像以上に難しいです。冷凍倉庫に関するノウハウを持っている物流会社に委託した方が安心できるでしょう。
冷凍倉庫が不足している
物流会社の冷凍倉庫を利用することをおすすめしましたが、都心部を中心に冷凍倉庫が不足しています。冷凍倉庫が不足している理由は、冷凍食品の市場が拡大しているためです。
一般社団法人日本冷凍食品協会の独自調査によると、2023年度の冷凍食品の市場規模は前年度比2.1%アップで、7,799億円となりました。
出典元:一般社団法人日本冷凍食品協会『令和5年(1〜12月)の冷凍食品国内生産』
共働き世帯が増えタイパ重視により、冷凍食品の需要が伸びたことが要因です。また、EC事業展開など販路拡大のために冷凍技術を活用する事業者も増加してきていることも要因と言えるでしょう。
このような理由により冷凍倉庫が不足しています。首都圏などで冷凍倉庫を探しても、なかなか見つからないとお悩みのお客様も増えてきました。
冷凍倉庫の悩みなら「サンインテルネット」
冷凍倉庫をお探しの方はサンインテルネットにご相談ください。ここでは、サンインテルネットの特徴について簡単にご紹介します。
20年以上の低温物流実績
サンインテルネットは20年以上、低温物流の受託を行っています。長年培ってきた低温物流のノウハウが強みです。倉庫内では冷凍、出荷時は冷蔵に温度帯を変更するフローズンチルドなどにも対応できます。
温度管理・トレーサビリティなど細かく定めた品質マネジメントを徹底し、国際的ガイドラインの品質保証を実現しています。
冷凍・冷蔵倉庫を多数保有
サンインテルネットは「常温」「冷蔵」「冷凍」と温度管理ができる倉庫があり、これまで、さまざまな企業様の低温物流の受託を行ってきました。
冷凍品と冷蔵品で委託先の物流会社が分かれて業務が煩雑していたお客様には一本化を勧めたり、保管時と出荷時で温度を変更する冷チルに対応したりと、柔軟に対応してきました。
弊社の実績については、下記よりご覧いただけます。ご興味がある方は、ぜひご覧ください。
物流波動にも対応可能
サンインテルネットは月間85万件、270万ピースの出荷実績があります。首都圏を中心に小型倉庫から、1万坪超のマルチテナント型倉庫まで、総延床面積10万坪超の物流施設を運用しています。
ドミナント戦略で物流センター間の連携を強化しているため、受注数が急激に増加した際も柔軟に対応することが可能です。
物流不動産事業を展開
サンインテルネットは、さまざまな事業を展開しており、その1つに物流不動産事業があります。オーナー様には収益の最大化につながる支援をし、テナント様には業務に合う物流センターを提供しています。流不動産事業を展開しているため、さまざまな物流拠点をご提案することが可能です。
近年、不足している冷凍倉庫のご案内もできるため、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
冷凍倉庫とは、-18℃以下の温度で商品を保管する倉庫をいいます。冷凍倉庫のメリットは、食品を冷凍して品質を保ったまま長期保存ができるようになることです。つまり、遠方地域にも食品を配送できるようになり販路拡大ができます。
近年、冷凍食品の需要が伸び、事業者が販路拡大で冷凍技術を利用するようになってきて冷凍倉庫不足が深刻な問題となってきていますが、物流不動産事業を展開しているサンインテルネットであれば最適な物流倉庫のご案内が可能です。そのため、冷凍倉庫をお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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