梱包とは?包装との違いや梱包資材の種類、梱包のやり方を紹介

今回は梱包について解説します。この記事では、どのような梱包資材や緩衝材があるのかをご紹介しています。記事を読めば、お客様にどうすれば良い状態で商品を届けられるのか理解できるようになるため、EC事業者の方はぜひ読んでみてください。
「お客様に良い状態で商品を届けたいけれど、どのように梱包すればよいのだろうか?」「梱包資材や緩衝材にはどのようなものがあるのだろうか?」と気になっていませんか?
今回は梱包方法について解説します。この記事を読めば、どのような梱包資材・緩衝材があるのかまで理解できるため、ぜひ参考にしてみてください。
梱包とは
梱包とは、発送する商品を梱包材と緩衝材を使用して頑丈に包むことをいいます。商品の発送中の破損、汚損、劣化などを防ぐために包みます。
顧客満足度の向上も見込めるため、梱包材と緩衝材は「商品」「配送方法」「コスト」の観点から最適なものを選びましょう。
<梱包作業の手順>
- 梱包資材を選ぶ
- 商品と緩衝材を詰める
- テープで封をする
包装との違い
梱包と包装の違いは「目的」です。
包装とは商品の価値を高めるために包むことをいいます。個包して商品を使いやすくしたり、外装して商品の見栄えを良くしたりします。つまり、包装の主な目的は販売促進です。
一方で梱包とは商品を頑丈に包むことをいいます。発送中の破損、汚損、劣化などを防ぐために行うものです。このように、梱包と包装は目的が違います。
梱包作業(1)梱包資材を選ぶ
まずは、「商品」「配送方法」「コスト」の観点から最適な梱包資材を選びます。ここでは、どのような梱包方法があるかをご紹介します。
ダンボール梱包
ダンボールは一般的に使用される梱包資材です。梱包資材の中でも単価が安いです。ダンボールはサイズ展開が豊富なため、商品サイズにピッタリ合うものを見つけられます。コンパクトに畳むことができるため、倉庫に置いていても邪魔になりません。
一方で、ダンボールはクッション性、防水性に乏しいです。しかし、緩衝材を上手く活用すれば、ワレモノの配送も行えます。
トライウォール梱包
トライウォール(強化段ボール)とは、硬く丈夫なダンボールをいいます。バージンパルプが使用された耐水性のダンボールもあります。
トライウォール梱包は、トラックの積載量を増やす際に使用するものです。木箱と比較すると軽量で取り安いことが魅力となっています。
クレート梱包(木枠梱包)
クレート梱包とは、商品が見えるように木枠で梱包することをいいます。商品が見えるため、透かし梱包とも呼ばれます。工作機械や機械設備など重量物を梱包する際に広く用いられている梱包方法です。木箱と比較すると軽量で安価です。
また、木枠から商品が見えるため税関検査を通過できることもあります。
一方で木箱と比較すると組み立てが大変になります。フォークリフトの操作も慎重に行わなければ、商品は破損してしまいかねません。また、商品が見えるため、高価な品物だと盗難に遭う恐れがあります。
クラフト梱包
クラフト梱包は、クラフト紙(クラフトペーパー)で商品を包む梱包方法です。クラフト紙は安価に入手できます。クラフト紙で商品を包めば、余計な送料がかからないことがメリットです。そのため、配送料を抑えたい場合におすすめです。
水に弱い商品を配送する場合は、ビニール袋やエアマットで包んでから、クラフト包装するようにしましょう。
OPP梱包
opp梱包とは、opp袋に発送する商品を入れる梱包方法です。opp袋は安価に入手できますが、透明性が高く耐水性や強度に優れています。そのため、アパレル商品や小物の配送に使用されるケースが多いです。また、DM送付にも使用されています。見栄えの良いDMを作成したり、特典を添えたりすれば開封してもらいやすくなることが、opp梱包のメリットです。
Opp袋を定形内サイズの郵便で配達したい場合は、宛名ラベルをopp袋の内側に張る必要があります。その点だけを覚えておくようにしましょう。
シュリンク梱包
シュリンク梱包とは熱収縮性のプラスチックで商品を包み、加熱して密着させる梱包方法です。商品にフィルムをかけるため、傷や汚れを防げます。また遺物混入の心配もありません。また、商品をフィルムで包むため開封できなくなります。つまり、未開封もしくは新品だとアピールできることがメリットです。そのため、漫画や雑誌などの梱包に使用されています。
バルク梱包とは
バルク梱包とは、大型の容器に大量の商品を入れる梱包方法です。大量の商品を一括で配送するために用いられる方法で、アパレル商品を店舗に配送する際などに活用されます。個包装しないため、梱包費用を安く抑えられることがメリットです。
バルク梱包で配送されるアパレル商品を、業界用語でバルク品といいます。
バリア梱包(真空梱包)
バリア梱包(真空梱包)は、精密機器の配送に用いられます。大型機械をバリアで覆った後に、空気を抜いて真空状態にする手法です。シリカゲル(乾燥剤)を入れておくことで湿気を取り除くことで、機械が錆びるのを防止します。
精密機器を長期保管する場合は1ヵ月に1回、3ヵ月に1回など乾燥剤を交換するようにしましょう。
スチール梱包
スチール梱包とは、スチール製の容器に商品を詰めることをいいます。スチール製の容器は木箱と比較して、防水性、防塵性、耐久性に優れています。配送中の振動や衝撃から商品を守ることができるため、自動車部品や電子機器の配送などに用いられる梱包方法です。大型機器や重量物を配送する際にもおすすめです。
バンドル梱包
バンドル梱包とは、バンドルで商品を固定するだけの梱包方法をいいます。荷台との接触は避けることができないため、配管や鉄材など資材の配送に活用されることが多いです。バンドルしか使用しないため、コストを抑えることができます。
梱包作業(2)商品と緩衝材を詰める
一般的な段ボール梱包の場合、箱の中に商品と緩衝材を詰めます。緩衝材にも、いくつか種類があります。
エアーキャップ
エアーキャップは、粒上の気泡が特徴的なポリエチレンフィルムです。クッション性が高いほか、防水や防湿効果があるため、さまざまな利用用途に用いられています。
しかし、時間が経過するとポリエチレンフィルムから空気が抜けてしまい、クッション効果が薄れます。そのため、エアーキャップを大量に購入して長期保管するのは控えましょう。
クラフト紙
クラフト紙は化学パルプから作られた強度の高い紙です。緩衝材の中でも安く購入することができます。カット済みのタイプとロールタイプがあり、安く購入したい場合はロールタイプがおすすめです。クラフト紙は薄いため、保管場所に困りません。
しかし、段ボールと商品に隙間がある場合は大量に詰める必要があります。また、紙のため冷蔵品や冷凍品の梱包には使用しないようにしましょう。
エアー緩衝材(エアークッション)
エアー緩衝材(エア-クッション)は、空気が入ったビニール製の緩衝材をいいます。クッション性に優れているため、商品の固定したい場合におすすめです。段ボール箱を開けた際の見栄えが良く、廃棄しやすいことがメリットです。
エアー緩衝材には、最初から空気が入っているタイプと製造機で空気を入れるタイプがあります。最初から空気が入っているタイプは、少しずつ空気が抜けていくため、長期保存はできません。製造機で空気を入れるタイプを使用する場合は、機械が故障すると業務が停滞する恐れがあるため、他の緩衝材も保有しておくようにしましょう。
バラ緩衝材
バラ緩衝材はまゆ玉状の緩衝材です。複雑な形状の商品を詰めた際の隙間を埋める場合におすすめです。主原料がコーンスターチのため、焼却時に有毒ガスが出ません。環境にやさしいエコ素材です。しかし、柔らかく潰れやすいため、重量物の梱包には不向きです。
ミラーマット
ミラーマットは発泡ポリエチレンのシートをいいます。表面がなだらかで厚みも1~3mm程度でありながらクッション性があります。そのため、皿やグラスなどの割れ物を包む際に使用されることが多いです。
緩衝材の中でも単価が高いため、ダンボールの隙間を埋める緩衝材には向いていません。隙間を埋める場合は、他の緩衝材を使用しましょう。
紙パッキン
紙パッキンは、紙を細かくカットして作られたラッピング用の緩衝材です。Opp袋の底に敷いたり、ギフトボックスの底や隙間に詰めたりする際に使用されます。さまざまなカラーがあるため、デコレーションしやすいです。またコストも安いことが魅力となっています。
しかし、クッション性は低いため壊れやすいものを梱包する際には不向きです。
薄葉紙
薄葉紙は薄手の緩衝材です。非常に薄く繊細で高級感があります。さまざまなカラーの薄葉紙があるため、ギフトラッピングとしてよく使われています。花束のギフトラッピングなどに使用されることが多いです。
ギフトラッピングにおすすめの緩衝材ですが、非常に薄いため、角が尖ったものをラッピングすると破けてしまいます。
フルーツキャップ
フルーツキャップは、フルーツやワインボトルを守るための保護ネットです。ポリエチレン製のため伸縮性があります。フルーツやワインボトルに被せるだけで保護できる気軽さが魅力です。網目状で通気性、通水性に優れているため、フルーツの腐食を防ぐことができます。
保冷エコクッション
保冷エコクッションとは、発砲スチロールの代替品です。保冷・保温効果があるため冷蔵品や冷凍品を配送する際に利用します。発砲スチロールよりも低価格のため、多くの業者に利用されています。
梱包作業(3)テープで封をする
ダンボール箱に商品と緩衝材を詰めたら、ガムテープで封をしましょう。ガムテープの止め方にもパターンがあります。
一字貼り
一字貼りとは、ダンボールに合わせてガムテープを貼ることをいいます。一字貼りはダンボールの補強効果はありませんが、開封しやすいです。そのため、ダンボールの上部を閉じるときなどに、おすすめの貼り方です。
十字貼り
十字貼りとは、十字になるようにテープを貼ることをいいます。縦と横にガムテープを貼ることで、中心部を補強することができます。そのため、ダンボールの底抜けを防ぎたい場合におすすめの貼り方です。
キの字貼り
キの字貼りとは、縦に1本、横に2本のテープを貼ることをいいます。十字貼りよりも強度を上げられるため、十字貼りではダンボールの底抜けが心配だという場合におすすめです。
米字貼り
米字貼りとは、対角線に米の字になるようにガムテープを貼ることをいいます。十字貼りやキの字貼りよりも強度が高いです。そのため、絶対に底抜けを避けたい場合におすすめの貼り方です。精密機械を配送する際などに用いられます。
H貼り
H貼りは、ダンボールに沿ってH字にガムテープを貼ることをいいます。H貼りにすると、ダンボールから中身がはみ出るのを防ぐことができます。また、ホコリやゴミの異物が混入するのも防ぐことが可能です。
このようなメリットがありますが、補強効果は一字張りとほとんど変わりません。そのため、ダンボールを補強したい場合は、キの字貼りや米字貼りを検討しましょう。
まとめ
梱包は3STEPで行います。
- 梱包方法を選ぶ
- 商品と緩衝材を詰める
- テープで封をする
この記事では、さまざまな梱包方法をご紹介しました。そのため、自社の商品に合った梱包方法を採用してみてください。
またサン インテルネットでも段ボール、緩衝材のご提案が可能です。ぜひ、梱包に関しても是非お気軽にご相談ください。
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