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食品物流とは?鮮度維持のための品質管理と近年の課題解決策を解説

物流用語
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今回は食品物流について解説します。食品物流は健康被害を及ぼす影響があるため「温度管理」「日付・時間管理」「コスト管理」などの品質管理が欠かせません。ここでは、食品物流の品質管理と各種課題の解決方法を解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

食品物流は鮮度が重要となるため、一般的な物流とは異なり徹底した品質管理が欠かせません。また、食品物流はコストの高騰、サービス競争などの課題が出てきました。そのため、食品物流を見直してみましょう。今回は食品物流について詳しく解説します。

食品物流とは

食品物流とは、生産者から消費者へ食品を届けるための流れをいいます。

食品の品質管理は食中毒など健康被害を及ぼす影響があるもののため、一般的な物流とは異なり「温度管理」「日付・時間管理」「コスト管理」を行わなければいけません。また、サプライチェーン全体で「もの」「金」「情報」の流れを共有し、業務プロセスの最適化を図ることで企業競争力を上げていけます。

食品が消費者に届くまでの流れ

食品が消費者に届くまでの流れは以下の通りです。

原料メーカー

食品の原材料の調達先

食品メーカー

原材料を加工して食品を製造する

食品を袋や瓶、缶などで包装する

問屋

食品メーカーと小売店をつなぐ役割を持つ

小売店

スーパーに食品を並べて販売する

消費者

食品を購入する

食品物流の3つの品質管理

お客様に選ばれる食品を提供するためには「温度管理」「日付・時間管理」「コスト管理」が必要となります。

温度管理

食品の鮮度を保つためには、最適な温度下で保管や配送を行わなければいけません。なぜなら、温度管理を怠ると、鮮度が落ちて食中毒が発生する恐れがあるためです。また、新鮮で美味しい食品を提供することで、顧客満足度が上げられます。そのため、最適な温度下で食品を管理しましょう。

温度帯保管温度代表的な食品

定温

5~18℃

米、チョコレート菓子、マヨネーズなど

冷蔵

5~10℃

精肉、鮮魚介類、乳製品など

パーシャル

-5~-2℃

お弁当やお惣菜など

冷凍

-25~-18℃

畜肉、魚介類、冷凍食品、アイスクリームなど

超低温

-40℃

マグロなど

日付・時間管理

お客様から信頼を獲得するためには、日付と時間管理が大切です。なぜなら、店舗に陳列された商品に期限切れの商品が混入していると、お客様から信用を失ってしまうためです。

お客様が安心して食品を購入するためにも、精肉や生菓子など日持ちしない食品には消費期限、スナック菓子や缶詰など日持ちする食品は賞味期限を設け、食品業界特有の3分の1ルールを守ることで期限切れ問題が防げます。物流におけるリードタイムを短縮すれば鮮度の高いものを提供できて、より満足してもらえるでしょう。生産管理や発注管理でも日付・時間管理は必要となりますが、お客様からの信頼を勝ち取るために欠かせないものとなります。

コスト管理

食品会社が存続していくためには利益を出していかなければいけません。しかし、食品は単価が安いものが多く、賞味期限や消費期限の関係で大量に仕入れて安く売るという手段が取りづらいです。少量ずつ高頻度で配送しなければいけないため、物流コストの売上比率が高くなります。

また、CMの反響などで出荷量の波動が大きく、生産管理や在庫管理が難しく機会損失を招くこともあります。物流コストが高騰すれば、商品の価格を値上げしなければいけません。商品の価格を値上げすると、お客様から選ばれにくくなるためコスト管理をしましょう。

食品物流が抱える課題

食品物流では品質管理が重要だと説明しましたが、業界全体は以下のような問題にも直面しています。

物流2024年問題

働き方改革法案により、2024年4月からドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることになりました。時間外労働時間が制限されて輸送能力が不足すると、希望日に商品を届けてもらえなかったり、配送が断られてしまったりする恐れがあります。待遇や労働環境を良くしてドライバーを確保していくために、配送料が値上がりする恐れがあります。

食品ロス問題

農林水産省の調査報告書によると、年間570万トンの食品ロスが発生していると報告されており事業系食品ロスが54%を占めています。食品を廃棄する際には地球温暖化の原因となるCO2が排出されます。

近年、持続可能な社会を実現する取り組みSDGsが注目を浴び始め、食品ロス対策に取り組む企業が支持されるようになってきました。そのため、食品会社は食品ロス問題にも取り組む必要性が出てきています。

配送サービス合戦

顧客満足度を追求した配送サービスの競争激化が止まりません。〇〇円以上の商品購入など条件に応じてノベルティやパンレットなどを同封する同梱作業や、お客様の希望する形でのラッピング作業など、顧客満足度のために取り組まなければいけなくなりました。また、即日配送や指定日配送など配送希望にも応じなければいけません。配送サービスの品質が問われるようになってきています。

ガソリン代の高騰

物流コストに影響を与えるガソリン代の価格が高騰しています。202396日にガソリン価格は過去最高値の1ℓ186.5円を記録しました。ガソリンを元売業者から直接仕入れるとガソリン代が安く抑えられますが、そのような企業努力では乗り越えられない事態となってきています。

他社と共同で荷物のまとめ積みを実施したり、荷主に配送日や時間指定の制約を緩和してもらったりして積載率を上げていかなければいけません。ガソリン代の高騰により物流サービスも高騰しています。

食品物流の課題を解決する方法

食品物流の品質管理を行い、直面する問題を解決するための方法は3つあります。

物流業務を見直す

1つ目が物流業務を見直して効率化することです。物流拠点内の作業、労働環境を見直しましょう。例えば、ピッキング作業を手作業で行うとヒューマンエラーが出てしまいますが、

マテハン機器を使用すると商品の照合が簡単に行えるようになります。また、どのような人でも作業ができるように手順書の作成もおすすめです。

物流DXを推進する

2つ目が物流DX推進をして業務効率化することです。国土交通省の調査レポート『物流・配送会社のための物流DX導入事例集』では、以下のようなDX推進方法が紹介されています。

配送業務倉庫業務
  • 自動運転トラック搬送
  • ドローン物流
  • 点呼支援
  • 車両動態管理
  • クラウド型配車計画支援
  • 輸送業務支援ソリューション
  • 共同輸送マッチング
  • 荷主・ドライバーマッチング
  • マニュアル電子化
  • AI-OCR
  • コンテナ積込自動化
  • 自動フォークリフト
  • デパレロボット
  • 自立移動ロボット
  • スマートウェアハウス
  • 自動搬送
  • AGV/RGV
  • ソーター自動化
  • 仕分け自動化
  • ピッキング自動化
  • 在庫管理システム
  • 倉庫管理システム
  • パース予約・受付
  • 倉庫・荷主マッチング

物流会社とパートナーシップを構築する

自社物流で完結できない場合は、物流会社とパートナーシップを構築して課題を解決していきましょう。

物流会社とパートナーシップを構築すれば、物流の問題を解決していけます。

物流業務のリソースが足りない、閑散期と繁忙期で物流量に差があるためコスト管理が難しいなど悩みを抱えている方は、物流会社に相談してみることをおすすめします。

食品物流のアウトソーシング事例

東京・神奈川・静岡・山梨に専用便で商品の配送を希望していた大手食品メーカー様に神奈川県央の自社物流センターを提案させていただきました。東京・神奈川への配送は約1時間、静岡や山梨方面への配送は約1時間半と、配送先をカバーできる最適な拠点を提供しています。

当社は神奈川県央エリア内に集中して物流拠点を集約したドミナント戦略により、物流波動にも柔軟に対応できるため、お客様の売上増に合わせた拡張を視野に入れた運用ができます。

また、物流コストの削減や商品の品質管理のため、トラックにGPSを導入して、当日配車や緊急配車に対応できるようにしました。

まとめ

食品物流とは、生産者から消費者へ食品を届けるための流れをいいます。一般的な物流とは異なり「温度管理」「日付・時間管理」「コスト管理」を行わなければいけません。

また、物流2024年問題や食品ロス問題に対応する必要があります。そのため、業務を見直したり、DX推進で業務改革していきましょう。もし、自社物流でDX推進が難しい場合は物流アウトソーシングサービスを利用するのも1つの方法です。これを機会に食品物流を見直してみてください。

サンインテルネットは、冷凍・冷蔵倉庫を多数保有しており多温度帯一括物流を実現している物流会社です。高品質かつ、ローコストな物流オペレーションを提供しているため、食品物流でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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