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物流コストとは?内訳や削減アイデア、成功事例を紹介!

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今回は物流コストの計算方法や、コスト削減のアイデアをご紹介します。ガソリン代や人件費の高騰で物流コストが高騰しています。また、多頻度小口配送も物流コストに影響を与えているため、コストを見直して削減していきましょう。物流コストを削減した成功事例まで紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

物流コストが高騰しており、商品の値上げなど各社が対応に追われています。しかし、工夫次第で物流コストは削減できます。そのため「物流コストは適正であるか」「物流業務にムダはないか」を把握して改善をしていきましょう。

今回は物流コストについて詳しく解説します。この記事を読めば、物流コストが適正かを計算できたり、コスト削減のアイデアを把握できたりします。そのため、物流コストの高騰に悩んでいる方は、この記事を参考にしてみてください。

物流コストとは

物流コストとは物流業務に係る費用をいいます。物流コストは上昇しており、売上や利益を確保するためにコスト削減の取り組みが欠かせなくなりました。そのため「物流コストの内訳」「売上高物流コスト比率」「物流コストの計算方法」を理解して、物流コストが適正であるか見直してみましょう。

1.物流コストの内訳を把握する

種類

構成比

詳細内容

輸配送費

55.1%

  • 車両費用
  • ドライバー人件費
  • ガソリン代金
  • 減価償却費など

保管費

16.9%

  • 倉庫の賃料
  • 倉庫の管理費
  • 火災保険料など

包装費

28.0%

  • 段ボール
  • ガムテープ
  • 緩衝材
  • 梱包作業の人件費など

荷役費

  • 荷役作業の人件費
  • マテハン機器など

物流管理費

  • 倉庫管理システム(WMS)
  • 管理業務の人件費など

出典元:『2022年度 物流コスト調査報告書【概要版】

物流コストが適切か確認するために、物流コストの内訳、構成比率を把握しておきましょう。公益社団法人日本ロジスティックスシステム協会は、毎年、物流コスト調査報告書を公表しています。

上記の表は全業種の物流コストの構成比です。物流コスト調査報告書には製造業、非製造業、卸売業、小売業など業種別の物流コストの構成比もまとめられています。そのため、詳細情報を知りたい方は物流コスト調査報告書をご覧ください。

2.売上高物流コスト比率の平均値を把握する

売上全体に占める物流コストの割合が適正であるかを知るために、売上高物流コスト比率を確認しておきましょう。『2022年度 物流コスト調査報告書【概要版】』によると、業種別の売上高物流コスト比率は、以下のようになっています。

【業種別 売上高物流コスト比率】

  • 製造業:5.34%
  • 卸売業:5.71%
  • 小売業:3.51%
  • その他:5.71%

物流コスト調査報告書に記載はありませんが、EC事業の場合は12%程度に上昇します。

3.自社の物流コストを計算する

帳票や伝票から物流コスト(輸送費・保管費・包装費・荷役費・物流管理費)を分類して集計しましょう。そして、物流コスト構成比と売上高物流コスト比率を、以下の計算式で求めます。

  • 物流構成比=各項目の合計金額÷物流コストの合計金額
  • 売上高物流コスト比率=物流コスト÷売上高

物流コスト構成比が合わなかったり、売上物流コスト比率が高かったりする場合は、コスト削減に取り組みましょう。 

物流コストが高騰している理由

物流コストが高騰しています。公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会の調査報告書『2022年度 物流コスト調査報告書【概要版】』によると、売上高物流コスト比率が上昇傾向にあり、2021年度には最高数値5.70%を記録しました。多くの企業が影響を受けていますが、コスト削減に取り組むためにも物流コストが高騰している理由を把握しておきましょう。 

EC市場の拡大で物流の需要が増加したため

1つ目がEC市場の拡大で物流の需要が供給を上回り、インフレが起きていることです。EC市場の拡大で多頻度小口配送が増えたことにより、ドライバー不足が深刻な問題になっています。

物流会社はトラックドライバーの待遇を改善して人員を補充しなければ、荷物を届けられなくなってしまいかねません。このような事態を避けるために、物流会社がトラックドライバーの待遇を改善し人員補充している関係で物流コストが高騰しています。 

積載効率が低下しているため

2つ目がEC市場の拡大により多頻度小口配送が増えた結果、積載効率が低下したためです。

少量の荷物を載せて運行するトラックが増えて積載効率が低下しています。国土交通省の独自調査『物流を取り巻く動向と物流施策の現状について』では、1990年の積載率は約55%でしたが、2009年には積載率が約40%に減少したと報告されています。

少量の荷物を配送すると「車両費」「ガソリン代」「ドライバー人件費」の負担が重くのしかかり、利益を出すために物流サービスが値上がりしているのです。

ガソリン代が高騰しているため

物流に必要不可欠なガソリン代が高騰しています。その理由は、国内はガソリンを輸入しており、外国の為替相場の変動の影響を受けてしまうためです。ガソリン代金は2020年は117円でしたが、2023年に178円を記録しました。170円台を記録して、企業努力をしても限界だと物流業界からも悲鳴が起きています。 

ドライバー不足で賃金が高騰しているため

物流会社のドライバー不足は深刻な問題となっています。国土交通省の調査報告書『トラック運送業の現況について』によるとドライバーの有効求人倍率は2倍以上となっており、全職業と比較しても高い水準を記録している状況です。

公益社団法人鉄道貨物協会は2028年にドライバー不足は27.8万人に達すると予想しています。また、2024年にはトラックドライバーの年間労働時間が上限960時間に規制され長時間労働ができません。

物流会社はトラックドライバーの待遇や労働環境を改善して、ドライバー不足を解決していく必要があります。そのため物流コストが値上がりしています。 

物流コスト削減のための見直し方

物流コストを削減するためには、どのような見直しをすれば良いのでしょうか?ここでは、物流コストの削減アイデアをご紹介します。

在庫管理システムで適正な在庫数を維持する

過剰に在庫を抱えると、商品を保管するための保管費がかかります。各地に物流センターを持っている場合、全体の在庫数が過剰になっているケースが多く見受けられます。在庫数を最適化すれば保管費を抑えることが可能です。そのため、在庫管理システムを導入して適正な在庫数を維持するようにしましょう。 

荷量に最適な倉庫に契約を切り替える

倉庫を借りる場合は、坪単価での契約となります。坪数が増えるほど倉庫の利用料金は高くなります。そのため、保管したい商品の種類と物流量に見合うスペースの倉庫に契約を切り替えてコストを削減しましょう。荷量に最適な倉庫を利用すると、倉庫代が安く抑えられるだけでなく、作業効率を上げることもできます。 

マテハン機器を導入して業務効率化を図る

物流現場でマテハン機器を利用すれば、業務効率化が図れて人件費を抑えられます。マテハン機器はフォークリフトや台車、パレット、コンベア、ピッキングシステム、自動倉庫、搬送用ロボットなど多岐に渡ります。これらの機器を上手く活用して業務効率化をしていき人件費を削減していきましょう。

倉庫作業マニュアルを作成して作業効率を上げる

倉庫作業マニュアルを作成しておけば、業務標準化ができて、属人化による弊害を防止できます。新たな倉庫スタッフを採用したときも、倉庫作業マニュアルを作成しておけば教育時間が削減できます。物流会社は離職率が高くて人の入れ替えが激しい業界です。その都度、スタッフの教育をしていたら労力がかかるため、倉庫作業マニュアルを用意しておきましょう。

倉庫のロケーションを改善する

倉庫のロケーションを「何を」「どこに」「どのように保管するか」を意識して改善していくとピッキング作業や入出荷作業の負担が軽減できます。

例えば、出荷頻度の高い商品は、出入り口から近くてピッキングがしやすい高さに保管しておくと良いでしょう。その一方で、出荷頻度の少ない商品は出入り口から遠く、手の届きにくいところに保管して長期保管すると良いでしょう。

倉庫のロケーションを改善して無駄な動きを減らせば、生産性が上がり物流コストを抑えられます。 

トラック積載率を上げる<

トラック積載率を上げていけば輸送コストを削減できます。積載率を上げるために必要なことは、トラックの運行状況の把握です。トラックの位置や走行状況を知り、ルート最適化を測ればトラック積載率を上げていけます。

また、他社と共同で荷物のまとめ積みを実施したり[、荷主に配送日や時間指定の制約を緩和してもらったりして積載率を上げていく方法もあります。

物流業務をアウトソーシングする

物流業務の改善やマテハン機器の導入が難しいと感じる場合は、物流業務を専門業者に委託しましょう。物流業務をアウトソーシングすれば、倉庫代や設備費、人件費など固定費がかかりません。物流量に応じてサービス利用料金を支払う形となるため、繁忙期や閑散期に合わせてサービスを利用できます。

自社物流で固定費が大きな負担となっている場合は、アウトソーシングに切り替えるとコスト削減ができます。また、物流アウトソーシングの委託先を見直すだけでコスト削減になることも多いです。

物流コスト削減の成功事例

サンインテルネットは物流コンサルティングにて物流コスト削減に貢献してきました。ここでは、物流コスト削減の成功事例をご紹介します。 

ピッキングリスト出力順序を変更して30%の工数削減に成功

ピッキング作業でヒューマンエラーを起こして、再検品など無駄な作業をしていたA社。

A社に対して、ピッキングリストをオーダー数でグルーピング化して出力し、ピッキング作業者のスキルに見合ったリストを采配することを提案しました。その結果、再検品など無駄な作業がなくなり、約30%の業務削減に成功しました。

また、スキルに見合ったピッキングリストのみが采配されることで、ピッキングスタッフの集中力が増して作業品質を上げることにも成功しました。 

ピッキング作業を改善して出荷能力150%アップに成功

B社ではピッキング作業を終えた後に、現場の課題について話し合う場を設けています。話し合いの場では「ピッキングの歩行距離が長い」「ロケ探索時間が長い」など、さまざまな課題が出ます。

これらの課題に対して具体的な改善案を実施して週次で状況を確認するなど、PDCAサイクルを回したところ、出荷能力を150%上げることに成功しました。 

物流会社に切り替えてコスト管理を強化

C社は物流アウトソーシングサービスを利用していますが、請求明細書の内訳が不明瞭でありコストが高いことを気にしていました。今後、物流量が増える際に物流コストがネックになるのではないかと不安を抱えていたのです。このような不安を抱えていたC社に対して、透明性のある見積書を提示しました。

また、C社の今後の事業計画に合わせた物流コストのシミュレーションを実施して、安心して物流アウトソーシングサービスを利用できる環境をつくりました。

まとめ

物流コストとは物流業務に係る費用をいいます。ガソリン代の高騰やドライバー不足により、物流コストが高騰しており、多くの企業が悲鳴を上げています。しかし、自社の物流コストを把握してムダを省けば、コスト削減することも可能です。この記事では、物流コストの計算方法からコスト削減方法まで紹介しました。この記事を読みながら、物流コストの見直しをしてみてください。

もし、自社の物流業務にムダがあるのか気になる方は、サンインテルネットにご相談ください。50年以上に及ぶ物流経験を活かし、お客様の物流の課題を解決します。ぜひ、お悩みを抱えている方は、下記よりお問い合わせください。

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