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トレーサビリティ とは?導入メリットや課題について詳しく解説

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今回はトレーサビリティについて解説します。消費者が商品の安全性に注目するようになり、トレーサビリティの重要性が増してきました。トレーサビリティとは、どのように導入するのでしょうか?トレーサビリティに興味がある方は、この記事を読んでみてください。

トレーサビリティという言葉を聞く機会が増えましたが、どのような意味か理解している人は少ないです。その一方で「いつどこで誰が製造した商品なのか気になる」という消費者も増えてきており、トレーサビリティの重要性が増しています。そのため、トレーサビリティの重要性について理解しておきましょう。今回はトレーサビリティについてわかりやすく解説します。

トレーサビリティとは

トレーサビリティとは、商品が生産されて消費されるまでの流れ(調達生産流通販売消費)を追跡できる状態にしておくことをいいます。各工程で「仕入先」「製造者」「販売者」などを記録し、履歴を追跡可能な状態にしておくことで、トラブル発生時に商品を回収できるようになります。安全意識の高まりから、トレーサビリティの重要性が増してきました。

 

トレーサビリティの種類

トレーサビリティには「チェーントレーサビリティ」と「内部トレーサビリティ」があります。

 

チェーントレーサビリティ

チェーントレーサビリティとは、商品が生産されて消費されるまでの流れ(調達→生産→流通→販売→消費)を追跡できる状態にすることをいいます。つまり、自社だけで完結することはなく、サプライヤー、メーカー、物流業者、小売業者などが協力しなければいけません。

チェーントレーサビリティの管理体制が確立できれば、予期せぬトラブルが起きたときに商品の回収や原因の究明がしやすくなります。

内部トレーサビリティ

内部トレーサビリティとは、工場内や倉庫内の工程を追跡できる状態にすることをいいます。例えば、PCの製造工場の場合は「部品調達」「組立」「検査」「納入先」に関して記録をして追跡できるようにします。内部トレーサビリティは、業務改善や品質管理を目的に確保されるケースが多いです。

トレーサビリティのメリット

トレーサビリティには5つのメリットがあります。

不良品の流出防止できる

トレーサビリティの管理体制が確立できていれば、原材料で問題が見つかったときに、部材を使用した製品を回収することができます。メーカーはリコールを公表し、製品を回収しなければいけないときもあるでしょう。消費者を守るために不良品の流出防止できることがトレーサビリティのメリットです。

(※トラブル発生時に、問題がある原材料が使われた商品を特定することをトレースフォワードといいます。)

事故の再発防止ができる

トレーサビリティの管理体制が確立できていれば、トラブル発生時に影響が出るロット番号、作業内容を絞り込めるようになり、原因を調査できるようになります。「ロットに不具合があったのか?」「作業内容に問題があったのか?」を調べられて事故の再発防止ができます。

(※トラブル発生時から工程を遡ることをトレースバックといいます。)

ブランドイメージを上げられる

近年、消費者が「いつどこで誰が商品を製造したのか」を調べられるようになってきました。

例えば、コシヒカリでは、お米の袋に印刷されている「会社名」「商品名」「精米日付」を入力すると「産地」「品種」「年産」「割合」が確認できるようになっています。どのような工程で製造された商品なのか把握できる形にしておけば「安全意識の高い会社だ」とブランドイメージを上げられます。

サービスの品質が向上する

トレーサビリティの管理体制を確立できれば、商品が生産されて消費されるまでの流れ(調達→生産→流通→販売→消費)で、どこに問題があったかを究明できます。責任の所在が明らかになるため、現場の意識向上につながり、結果的にサービスの品質向上に繋がります。

顧客満足度が向上する

近年、消費者が「いつどこで誰が商品を製造したのか」を調べられるようになれば、商品を安心して購入できるようになります。「どのような経路で製造された商品なんだろうか」と気にする方も増えてきました。生産者や製造者、流通などが調べられ安全性を確保できれば、顧客満足度を上げていけます。

トレーサビリティの課題

物流トレーサビリティを確保するには、以下のような課題が出てきます。

システム導入費がかかる

トレーサビリティを実現するためには、システムを導入しなければいけません。つまり、ラベルシールとバーコードを読み取るハンディターミナル、データを一元管理するシステムを導入する必要があります。どのような機器を導入するかにもよりますがコストがかかります。

作業の負担が増える

トレーサビリティを実現するためには、各工程で記録を取っていかなければいけません。多くの情報を記録していかなければいけないため、負担に感じてしまうこともあるでしょう。トレーサビリティの重要性を理解できない人からすると「記録が大変だ」と負担になってしまいます。

関連会社の協力が必要になる

チェーントレーサビリティの管理体制を整えるためには、関連会社の協力が必要です。

関係会社が「仕入先」「製造者」「販売者」の記録を怠ると追跡できなくなります。つまり、関係会社にトレーサビリティの価値を説明して協力してもらわなければいけません。関連会社を説得する労力がかかります。

トレーサビリティを実現するコツ

トレーサビリティにはデメリットがありますが、工夫次第で解消できます。そのため、トレーサビリティを実現するコツを押さえておきましょう。

補助金を活用する

トレーサビリティシステムの導入コストが負担に感じる場合は補助金を活用しましょう。農林水産省はトレーサビリティを確保するためのデータ連携システムの構築する食品会社に補助金を給付しています。また、公益財団法人廃棄物3R研究財団はトレーサビリティを確保してリサイクルに取り組む企業に補助金を給付しています。このような補助金を上手く活用すれば、トレーサビリティシステムの導入コストを抑えることが可能です。

DX推進する

トレーサビリティはラベルをハンディターミナルでスキャンして記録していかなければいけません。11件のラベルをスキャンするのは大変ですが、RFIDなど最新技術を利用すればラベルを一括スキャンすることができます。

また、ブロックチェーン技術を活用してトレーサビリティを確保すれば、製造工程に関するデータの改竄ができなくなります。つまり、ブランド品が正規品なのかどうかを確かめられるようになり、安全・安心して取引ができるようになるのです。

DXを推進すれば、トレーサビリティの業務負担が軽減できるでしょう。

トレーサビリティの重要性を理解する

トレーサビリティの管理体制を構築するには、関連会社の協力が欠かせません。

しかし、トレーサビリティを確保するためにはシステムを導入したり、記録を取らなければいけなかったりと負担がかかります。そのような中でも、トレーサビリティ確保に協力してもらうためには「なぜ取り組む必要があるのか」を理解してもらう必要があります。

トレーサビリティがどのような役割を担うのか、実例を踏まえて説明すると理解が得られやすくなります。

まとめ

物流トレーサビリティとは、商品が生産されて消費されるまでの流れ(調達→生産→流通→販売→消費)を追跡できる状態にすることをいいます。トレーサビリティを確保すれば、不良品の流出防止や事故の再発防止ができます。また、お客様が安心して商品が購入できるようになりブランド信用力、顧客満足度が上がるでしょう。

しかし、物流トレーサビリティの管理体制を構築するには負担がかかり、周囲の協力が欠かせません。そのため、トレーサビリティの重要性を理解してもらい、可能な限り少ない負担で協力してもらえるようにしましょう。

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