食品ECとは?よくある課題や成功のポイント、成功事例についても
食品ECは売上拡大が見込めますが、食品の鮮度を維持する物流を設計したり、ECサイトを立ち上げたりとさまざまな課題があがります。そこで、今回は食品ECサイトの立ち上げでよくある課題と、どのように解決すべきかをご紹介します。食品ECの成功事例を紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
コロナ禍でネットスーパーの需要が伸びてEC食品に興味が湧いたけれど、売上に繋がるだろうかと興味を持っていませんか?食品ECは商圏拡大が狙えますが、食品特有の物流が課題となり、この問題を解決できるかどうかでビジネスの成否が決まります。
本記事では提案型EC物流を得意とするサンインテルネット株式会社が、食品ECについて解説します。ぜひ、食品ECの立ち上げ時にお役立てください。
食品ECとは
食品ECとは、ECサイト上で生鮮食品や加工食品、飲料を販売することをいいます。ECサイトは「食品EC」「ネットスーパー」「食品サブスク」に細分化できます。
食品ECの種類
食品EC | ECサイト上で食品を販売する 例:楽天やAmazon、自社サイトなど |
ネットスーパー | 配送先に近いスーパーから食品を配達する 例:西友ネットスーパー、ライフネットスーパーなど |
食品サブスク | 定期的に生鮮食品や加工食品を販売する 例:ラディッシュボーヤ、パンスクなど
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食品ECの市場規模
食品ECの市場は急成長しています。コロナ禍で自宅療養中にネットスーパー利用率が上がり急拡大しています。
経済産業省『令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書』によると、食品ECの2022年の市場規模は2兆7,505億円。他分野と比較しても市場規模は大きいですがEC化率は4.16%と低くEC化が進んでいない現状です。
食品EC化率が低い理由
食品ECの市場規模は大きいのにEC化率が伸び悩んでいる理由は3つあります。
- 食品の鮮度を確認することができない
- 食品ECは配送コストがかかる
- 食品の物流体制を整えられない
つまり、この3つの課題を解決すれば、ビジネス機会が得られることになります。
食品の物流の注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『食品物流とは?鮮度維持のための品質管理と近年の課題解決策を解説』
食品ECに参入するメリット
食品ECに参入するメリットは4つあります。
商圏の拡大が狙える
食品ECで24時間365日、ECサイト上で商品を購入してもらえるようになるため、商圏の拡大が狙えます。スーパーは周辺エリアの集客しか期待できませんが、ECサイトは全国から集客ができます。つまり、食品ECは売上拡大を狙い方におすすめです。
24時間365日営業ができる
スーパーでは営業時間が定められています。営業時間を9時から21時と定めている場合は夜間にスーパーを利用したい顧客のニーズに応えることができません。しかし、食品ECであれば24時間365日営業できます。年末年始など多くのスーパーが休業しているとき、多くの注文が得られます。
顧客に商品の魅力を伝えられる
スーパーで食品を販売してもらっても、顧客に商品の魅力やストーリーを伝えてもらえません。しかし、ECサイトであれば商品ページに記載することで伝えることができます。商品の詳細情報、商品開発ストーリーを伝えられることも食品ECのメリットです。
顧客の声を反映させられる
食品ECを利用してくれた顧客の声を集めて、ECサイトに反映させることができます。ECサイトは食品の鮮度が確認できないなどの課題がありますが、顧客の声を反映させれば「ECサイトでも安心・安全に食品を購入できる」と思ってもらえるようになります。また、商品のブランディングにもおすすめです。
食品ECを始める手順
食品ECを始める手順は以下の通りです。
- 販売商品を決める
- 営業許可証を取得する
- 競合他社を調査する
- 物流網を確保する
- ECサイトを構築する
- ECサイトサービスを開始する
ここでは、各手順について詳しく解説します。
1.販売商品を決める
まずはECサイトで販売する商品を決めます。販売商品を決めるときは、お客様に売りたい商品ではなく、お客様が求めている商品であるかどうかを意識しましょう。
ECサイト上で食品を購入するお客様は「お米やお水など重量のあるものを自宅に届けてもらいたい」「プレゼントにおいしいものを贈りたい」などを考えています。このような顧客ニーズを踏まえて販売商品を決めていきましょう。
2. 物流網を確保する
ECサイトで商品の配送ができるように物流網を確立しましょう。
食品ECの場合は食品物流に欠かせない「温度管理」「日付・時間管理」「コスト管理」の品質管理ができる物流会社をパートナーに選ぶことが大切です。
ギフトラッピングなどフルフィルメント業務に対応してくれる会社であれば、柔軟な対応に満足できます。
3.営業許可証を取得する
ECサイトで取り扱う商品や物流網を確保したら、自治体や保健所にお問い合わせをして営業許可証を取得しましょう。また、営業許可証に合わせて食品衛生責任者の資格も必要になります。どのような食品を取り扱うかで営業許可証・資格が必要かが変わるため、お問い合わせをして尋ねましょう。
4.ECサイトを構築する
営業許可証を取得できたら、ECサイトを構築しましょう。ECサイトには「ショッピングモール」と「自社サイト」があります。
楽天やAmazonのショッピングモール店舗ページの制作期間は1~2ヶ月程度です。その一方で、自社サイトを立ち上げる場合は3~6ヵ月程度かかります。
ECサイトで売上を伸ばすためには、ユーザーにとって利便性の高いサイトづくりが欠かせません。そのため、食品ECサイトの構築実績を持つ制作会社に依頼しましょう。
5.ECサイトサービスを開始する
ECサイトが完成したらサービスを開始します。ECサイトを多くの人に利用してもらえるようにECサイトで利用できるクーポンを配布したり、限定商品を販売したりしましょう。
また、何度もサービスを利用してくれたお客様にポイントを付与するなど、ユーザーのロイヤリティを高めるとリピーターが増えて売上を伸ばしていけます。
食品ECはECフルフィルメントを利用しよう
食品ECを始め方に不安を感じる方は、ECフルフィルメントを利用することをおすすめします。
ECフルフィルメントとは、ECサイトで注文を受けて、お客様に商品を届けるまでの業務全般を指します。
【EC業務の流れ】
1. 商品企画
2. ECサイト設計
3. 集客活動
4. 商品受注・問い合わせ対応
5. 発注・仕入れ
6. 商品・在庫管理
7. 代金回収
8. 顧客情報分析
ECフルフィルメントを利用すれば、ECサイト構築や物流体制の整備などお任せすることができます。
ECフルフィルメントについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:『ECフルフィルメント業務とは?3PLとの違いや代行メリットを解説』
食品ECの成功事例
食品ECに参入している事業はどのような効果が見込めているのでしょうか?次に食品ECの成功事例を紹介します。
有限会社ひよこカンパニー
出典元:『有限会社ひよこカンパニー』
有限会社ひよこカンパニーは、2004年から養鶏場で採れた卵の通販サイト「大江ノ郷自然牧場」を運営しています。2012年には「futureshop」の定期販売コースを提供し始めたり、共同購入の仕組みを導入して、大江ノ郷自然牧場のファンを増やしています。
またLINE公式アカウントを導入して、店舗とオンラインで使えるクーポンを配信するなどして、約2週間で1,000件以上の来場、約80件のEC購買を実現しました。店舗とオンラインで順調に売上を伸ばしている企業様です。
株式会社八代目儀兵衛
出典元:『株式会社八代目儀兵衛』
八代目儀兵衛は京都の祇園、東京の銀座で料亭を運営する中で、ECサイト「八代目儀兵衛」も運営しています。ECサイト「八代目儀兵衛」は京都らしいお米のギフトが販売されており、元々、行列の絶えない店舗だったため、オンライン売上を順調に伸ばしています。
京都らしさ、商品の開発ストーリーや想いが伝わるECサイトをリニューアルオープンしたとき、クーポン機やメッセージ、LINEログイン連携、ギフト目的別のサービス選択などの機能を搭載して、商品購入率を上げました。
まとめ
食品ECとは、ECサイト上で生鮮食品や加工食品、飲料を販売することをいいます。食品ECの市場は急成長しています。コロナ禍で自宅療養中にネットスーパー利用率が上がり急拡大しています。
しかし、EC化率は低く需要に対応できていない状況です。鮮度が問われる食品の物流体制を整えられない、配送コストが高いなどの課題がありますが、これらを解決できれば商圏の拡大が練られます。
もし、EC食品に興味がある方は提案型EC物流を得意とするサンインテルネット株式会社にご相談ください。お客様のEC食品の立ち上げをサポートさせていただきます。
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