アパレル物流の特徴や仕組みを解説!業界特有の課題と解決方法を紹介
今回はアパレル物流の特徴や仕組みについて解説します。この記事では、アパレル業界特有の物流の課題と解決方法を紹介しています。アパレル企業は無料配送、スピード配送などサービス合戦が行われているため、競合優位性を保つためにも物流を見直してみましょう。
アパレル会社はスピード配送や無料配送などサービス合戦が行われています。サービス合戦に勝たなければ、お客様から選ばれなくなります。つまり、アパレル物流が事業の成功の鍵を握っているのです。そのため、アパレル物流の基礎を学んでおきましょう。
今回はアパレル物流の特徴について解説します。この記事を読めば、アパレル物流の課題と解決策を理解できるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。
アパレル物流とは
アパレル物流とは、アパレル商品が消費者に届くまでの流れ(入荷・検品・EC対応業務・流通加工・保管・ピッキング・梱包・出庫・配送)をいいます。アパレル商品のお届け先は「店舗」または「個人(ECサイト利用者)」です。
アパレル商品は「トップス」「パンツ」「スカート」「バッグ」「シューズ」など種類が多く、カラーやサイズが異なるときは別商品として取り扱わなければいけません。そのため、商品管理が複雑になり大変です。
しかし、アパレル物流にこだわれば、返品が減らせて物流コストが抑えられます。また、品質の高い商品を配送すればリピーターを増やせます。そのため、アパレル物流の課題と解決方法を学び、サービスの水準を上げていきましょう。
ECサイトを立ち上げて個人向けに商品を届けたい方は、EC物流の記事を併せて読んでみてください。
関連記事:『EC物流(通販物流)とは?特徴や物流会社選びのポイントを解説』
アパレル物流の課題
アパレル物流の課題は6つあります。
1.商品管理が複雑である
アパレル商品には「サイズ」「色」があるため、商品管理が複雑になりがちです。在庫管理の最小単位であるSKU数は以下のようになります。
・アパレル商品のSKU数
商品名 | トップス | パンツ | シューズ |
色 | 全6色 | 全1色 | 全2色 |
サイズ | S・M・L | S・M・L | 23・23.5・24・24.5・25 |
SKU数 | 18SKU | 3SKU | 10SKU |
取り扱い商品数が多い場合は、10,000~100,000SKUまで細分化されます。そのため、一般的に在庫管理システムで在庫管理が行われています。
2.品質管理が必要になる
アパレル商品の品質を担保するためには、品質管理が欠かせません。
品質管理では「通気性」「日焼け対策」「防虫対策」「折ジワ対策」を意識しましょう。
・アパレル商品の品質管理
通気性 | カビが発生しないように、衣類が重ねず保管して通気性を確保する |
日焼け対策 | 衣類の日焼けを防ぐために、日差しを遮断する |
防虫対策 | 衣類の虫食いを防ぐために、倉庫は清潔な状態を保つ |
折ジワ対策 | 折ジワが付くと商品価値が下がるため、ハンガーで吊るした状態で保管する |
3.需要の変動が激しい
アパレルは季節や時代に応じて売れる商品が変わってきます。また、メディアでアパレル商品が取り上げられるとお問い合わせが殺到します。このように、物流波動が起きやすいため、需要変動を予測して適切在庫管理をしなければいけません。
在庫管理に失敗して過少在庫になると機会損失を招き、過剰在庫になると倉庫スペースが圧迫したり、廃棄したりしなければいけなくなります。
4.流通加工が必要になる
アパレル物流では、商品価値を高めるために流通加工が行われます。
流通加工の作業は多岐に渡り「値札付け」「タグ付け」「プレス掛け」「ラッピング」「裾上げ」「検品」「検針」などを行います。流通加工に大きな負担がかかり、商品開発やマーケティングのコア業務に集中できないと悩む企業も多いです。
5.返品が起きやすい
アパレル物流では、以下のような原因で返品が起きやすいです。
- サイズや色、素材が商品イメージと異なった
- 注文してから気分が変わってしまった
- 商品が不良品だった
- 注文した商品と異なるものが届いた
そのため、返金や再送手続きなどの業務が発生します。
6.物流コストが高い
物流コストは、以下のような理由により高騰しています。
- EC市場の拡大で物流の需要が増加したため
- 積載効率が低下しているため
- ガソリン代が高騰しているため
- ドライバー不足で賃金が高騰しているため
アパレルの場合は、梱包資材の代金が高くなりがちです。物流コストが嵩みやすいため、どのように抑えていくかを考えていかなければいけません。
自社の物流コストが適切であるか計算してみたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『物流コストとは?内訳や削減アイデア、成功事例を紹介!』
アパレル物流の課題の解決策
アパレル物流の課題をご紹介しましたが、以下のような方法で解決できます。
作業効率を上げる
自社物流の場合は、どのような工夫をすれば作業効率が上げられるかを考えていきましょう。作業効率を上げる方法の例をご紹介するため参考にしてみてください。
- マテハン機器を導入して業務効率化を図る
- 作業マニュアルを作成して業務標準化する
- 倉庫のロケーションを改善する
自社物流は課題を洗い出して改善していくと作業効率を上げられますが、コンサルティングを受けると現状を把握、改善していきやすくなります。
物流DXに取り組む
AIやRFIDなどテクノロジー技術を活用してDXに取り組めば、物流業務の課題を解決していけます。物流DXの例をご紹介するので参考にしてみてください。
倉庫管理システム | 正確な在庫管理が行える |
AI需要予測 | アパレル商品の需要を予測して過少・過剰在庫をなくす |
自動搬送ロボット | 搬送作業の自動化で倉庫作業の効率化を図れる |
自動運転 | 自動運転自動車でドライバー不足を解消する |
返品作業システム | 返品対応や顧客対応の半自動化ができる |
アウトソーシングを活用する
自社物流が非効率だと感じたら、物流業務を専門業者に依頼しましょう。物流アウトソーシングサービスを利用すれば「倉庫代」「設備代」「人件費」の固定費がかかりません。物流量に応じた料金を支払うだけで済みます。
アパレル物流を得意としている会社に依頼をすれば、物流サービスの品質が上がります。アウトソーシングした結果、返品率が下がるケースも多いです。
EC対応業務などにも対応してくれる会社など、便利なサービスが続々と登場しています。そのため、物流の課題に悩んでいたらアウトソーシングの活用を前向きに考えてみてください。
物流アウトソーシングについて詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『物流アウトソーシングとは?物流会社の選び方や導入の流れを紹介』
アパレル物流アウトソーシングの成功事例
アパレル業界のノウハウを持っており、お客様の目線に立ち物流改善を提案してくれる物流会社に業務を委託すれば、店舗のバックヤードの保管スペースを最小限に抑えることができます。
また、商品の検品・検収・データ形状をお任せすれば、店舗作業が軽減できて店舗スタッフは接客に集中できるようになります。
まとめ
アパレル物流とは、アパレル商品が消費者に届くまでの流れをいいます。アパレル物流では6つの課題が発生しがちです。
- 商品管理が複雑である
- 品質管理が必要になる
- 需要の変動が激しい
- 流通加工が必要になる
- 返品が起きやすい
- 物流コストが高い
作業を見直して効率化を図ったり、アウトソーシングしたりして解決していきましょう。
サンインテルネットでは、物流コンサルティングサービスやアウトソーシングサービスを提供しています。月間出荷量50万件超で培ったノウハウで、お客様の課題を解決します。そのため、お気軽にご相談ください。
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