温度帯とは?3温度帯・4温度帯・5温度帯の違いまで解説!
今回は物流の温度帯について解説します。物流の温度帯には「3温度帯」「4温度帯」「5温度帯」があり、食品や医薬品の品質維持に欠かせません。この記事では、倉庫内の適切な温度管理をする際に発生する課題と解決方法を紹介しているためぜひ参考にしてみてください。
物流の温度帯管理(3温度帯・4温度帯・5温度帯)に注目が集まっています。商品を輸送・保管する過程において品質が劣化しないように、倉庫内の適切な温度管理が求められますが簡単なことではありません。
今回は、冷凍・冷蔵倉庫を多数保有するサンインテルネットが、物流の温度帯について解説します。流通方法を検討する際にお役立てください。
物流における温度帯とは
物流における温度帯とは、温度変化の影響を受けやすい食品や医薬品、精密機械の品質を保ちながら配送するために温度帯を区分して管理することをいいます。物流倉庫の温度帯には「3温度帯」「4温度帯」「5温度帯」があります。
物流の温度管理の重要性
物流の温度管理は、商品の品質保持の役割を果たします。適切な温度帯で管理することで、温度変化による品質劣化や腐敗を防げます。
特に温度管理が必要な商品が「食品」「医薬品」「精密機器」です。
例えば、不適切な温度で食品を管理すると鮮度が低下するだけでなく、微生物が増殖して食中毒事故を起こす可能性があります。また、医薬品の場合は温度変化で有効成分が分解されてしまい不良品となる可能性も高いです。
食品衛生法や医薬品医療機器法で医薬品の温度帯管理が義務化されている通り、大きな事故を起こさないために物流の温度管理を行う必要があります。
食品や医薬品の物流方法について知りたい方は下記の記事をお読みください。
関連記事:『食品物流とは?鮮度維持のための品質管理と近年の課題解決策を解説』
関連記事:『化粧品・コスメ物流の課題とは?外部委託するメリットまで解説!』
物流における3つの温度帯
物流における温度帯には「3温度帯」「4温度帯」「5温度帯」があります。
3温度帯
3温度帯とは「常温」「冷蔵」「冷凍」の3つの温度帯をいいます。常温、冷凍で商品を保管する場合は一定の湿度を保つ必要があります。一方で、冷蔵は湿度を高く保つことが大切です。
温度帯 | 温度範囲 | 湿度 | 商品例 |
室内温度 | 50~60% | 日用品、雑貨、缶詰など | |
冷蔵 | -5~5℃ | 85~95% | 生鮮食品、乳製品、惣菜、カットフルーツ、医薬品(一部)など |
冷凍 | -15℃以下 | 50~60% | 冷凍食品、アイスクリーム、魚介類、肉類、医薬品(一部)など |
※上記の表は温度・湿度の目安となるものです。商品の特性により温度や湿度を管理する必要があります。
4温度帯
4温度帯とは定温を加えた温度帯をいいます。
温度帯 | 温度範囲 | 湿度 | 商品例 |
常温 | 室内温度 | 50~60% | 日用品、雑貨、缶詰など |
定温 | 10~20℃ | 50~60% | フルーツやワインなど |
冷蔵 | -5~5℃ | 85~95% | 生鮮食品、乳製品、惣菜、カットフルーツ、医薬品(一部)など |
冷凍 | -15℃以下 | 50~60% | 冷凍食品、アイスクリーム、魚介類、肉類、医薬品(一部)など |
※上記の表は温度・湿度の目安となるものです。商品の特性により温度や湿度を管理する必要があります。
5温度帯
5温度帯とは、定温と超低温を加えた温度帯をいいます。
温度帯 | 温度範囲 | 湿度 | 商品例 |
常温 | 10~20℃ | 50~60% | 加工食品、菓子類、飲料、日用品、医薬品、化粧品、精密機器など |
定温 | 10~20℃ | 50~60% | 加工食品、菓子類、飲料、日用品、医薬品、化粧品、精密機器など |
冷蔵 | -5~5℃ | 85~95% | 生鮮食品、乳製品、惣菜、カットフルーツ、医薬品(一部)など |
冷凍 | -15℃以下 | 50~60% | 冷凍食品、アイスクリーム、魚介類、肉類、医薬品(一部)など |
超低温 | -50℃以下 | 50~60% | マグロ、血液製剤、ワクチン、生物製剤など |
※上記の表は温度・湿度の目安となるものです。商品の特性により温度や湿度を管理する必要があります。
物流の温度管理の課題
物流の温度管理の重要性について理解して頂けたと思いますが、各温度帯で商品を適切に保管する際には課題が出てきます。
温度管理設備の導入コストがかかる
物流倉庫で温度管理するためには、冷蔵庫や冷凍庫、恒温庫、温度管理システムなどを導入しなければいけません。
冷蔵倉庫や冷凍倉庫は冷却のために電力を使用します。電気料金高騰により、悲鳴を上げる物流会社も珍しくありません。また、温度管理設備は定期的に点検・整備を行う必要があるなど維持管理コストがかかります。
解決策:物流アウトソーシングを検討する
温度管理設備の導入コストが負担となる場合は、自社物流と物流アウトソーシングのどちらが良いか比較してみることをおすすめします。
自社物流の場合は「設備投資費」「人件費」「運営費」など、さまざまなコストがかかります。その一方で物流アウトソーシングに切り替えれば「委託料」「品質管理料」を支払うのみです。
繁忙期や閑散期など物流波動がある場合は、自社物流より物流アウトソーシングの方が圧倒的にコストパフォーマンスが改善されます。そのため、自社物流と物流アウトソーシングを検討してみるとよいでしょう。
物流アウトソーシング会社の選び方については、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:『物流アウトソーシングとは?物流会社の選び方や導入の流れを紹介』
温度管理のノウハウが必要になる
商品を適切に保管するためには、温度管理に関するノウハウが必要です。
【温度管理に関するノウハウ】
- 物流温度帯(3温度帯・4温度帯・5温度帯)に関する知識
- 商品特性による適切な管理方法を設定する力
- 温度管理設備の設置・運用、点検に関する知識
- 温度管理を行うために温度管理体制を構築する力
- 食品衛生法や医薬品医療機器法に関する法令に関する知識
- 温度管理に関するリスク管理を行う力
解決策:温度管理に関する研修に参加する
物流における温度管理に関する知識を身に付けたい場合は研修に参加しましょう。温度管理研修では、商品の品質保持や法令遵守、リスク管理などに役立つ知識が習得できます。以下のような研修があるため、ご興味がある方は参加してみるとよいでしょう。
- 一般社団法人日本物流総合研究所:物流温度管理技能者検定対策研修
- 公益社団法人日本冷凍協会:冷凍食品物流温度管理研修
商品の品質劣化が起きる可能性がある
物流における温度管理は商品の品質を保持するために必要です。適切な温度で管理しなければ、食品の鮮度が低下したり医薬品の有効性が低下したりする恐れがあります。最悪の場合は食中毒など大きな事故に発展してしまいます。
しかし、物流における温度管理は冷蔵・冷凍庫に商品を保管するだけではありません。物流倉庫の運用や点検を行わなければいけず上手く行えずに商品の品質劣化が起きてしまいます。
解決策:温度管理システムを管理する
物流倉庫の運用や点検が難しいと感じた場合は温度管理システムを導入しましょう。温度管理システムとは物流倉庫内の温度を自動で計測して監視したり、データ分析したりする際に使用する機器です。
人手による物流倉庫内の巡回点検が不要になり、リアルタイムの温度を把握できます。物流倉庫内の温度で異常が発生した場合にはアラートで通知してくれます。しかし、温度管理システムの導入コストが負担に感じるかもしれません。その場合は、物流アウトソーシングを検討してみることをおすすめします。
複数の温度帯の物流倉庫を保有「サンインテルネット」
商品の特性に合う温度帯の物流倉庫をお探しなら、サンインテルネットにご相談ください。ここでは、サンインテルネットの特徴を簡単にご紹介します。
冷凍・冷蔵倉庫を多数保有
サンインテルネットは「常温」「冷蔵」「冷凍」「低温」「パーシャル」の5温度帯に対応した倉庫を完備しています。食品や医薬品、精密機器まで、お客様の幅広いニーズに柔軟に対応いたします。
50年以上に及び医薬品物流の実績
サンインテルネットは50年以上に及ぶ医薬品物流の実績を保有しており、医薬品流通の国際的ガイドラインであるGDP(Good Distribution Practice)に準拠した品質管理を行っています。作業手順、温度管理、トレーサビリティなど定めたマネジメントを徹底することで、高レベルな物流品質を実現しています。
EC物流の月間出荷件数85万件以上
サンインテルネットはEC物流の実績を保有しており、月間出荷件数85万件以上を誇ります。食品、医薬品、精密機器など多種多様な商品を出荷していますが、冷凍食品の出荷実績は全国でトップクラスを誇ります。
まとめ
物流における温度帯とは、食品や医薬品などの品質を保ちながら配送するために、温度帯を区分して管理することをいいます。適切な温度帯で管理することで、温度変化による品質劣化や腐敗を防げます。
温度帯には「3温度帯」「4温度帯」「5温度帯」があり細かく管理すべきですが、設備投資や維持管理が大変です。そのため、自社物流の運営が難しいと感じた場合は物流アウトソーシングを検討してみてください。
サンインテルネットは、20年以上に渡るEC物流の実績を保有している物流会社です。「常温」「冷蔵」「冷凍」「低温」「パーシャル」の5温度帯に対応した倉庫を完備しています。そのため、物流の温度管理にお悩みを抱えた際はお気軽にご相談ください。
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